龍崎紅羽にとってのSM 好奇心の先を追い求め辿り着いた場所


私にとってSMとは…改めて考えた事ってあんまり無かったなかな。
聞かれた事に対して答えられる事ならば、結構素直に回答する方だし、仲良くなれば意外と気さくにSとかMとか関係無く誰とでもお喋りもするし。でもね、見せているようで実はあまり心の真底まではハッキリ明かさないタイプだったりもするからさ。

あ、はじめまして。龍崎 紅羽です。
知ってる人も知らない人もこんにちは。

今回このコラムのお話を頂いた時ね、浮かれた週末の出かけ先へ向かう道中で。その出かけ先ってのがまた野外フェスティバルという、それはそれは心高まった軽い躁状態。じっとしてても気分良しのスーパー上機嫌。
そんなとてもタイミングの良い時にお電話くれちゃうsmfam編集者さん。
私うっかり電話で二つ返事で “いいですよー♪”
なーんて後先考えずにお返事しちゃったわけなんですが…コラムなんて書いた事ないんですよ私。
でね後日さ「私にとってSMとは」なんてお題と文字数が送られてきて、
あ、ちょっと軽く返事し過ぎたかな…
なんて一瞬後悔しそうになったんだけど。笑

でもまあ一旦少し冷静に考えて、私自身、最近自分の内側をゆっくり覗いてみる事をしてあげれていなかったな..という事と。我を自問自答しそれを曝け書き出す機会なんて、コレを逃せばもうそんな機会も無いだろうから。
それに、文章を書く事は嫌いじゃないし。
あ、でも、大して学があるわけでもないからさ。本来執筆をするのであれば、もっと美しい日本語を使用して、美しい言い回しで文章を表現出来るのがきっと理想なんだろうけど。
ただ私という人間がありのままに、なるべくストレートに伝われば良いなと思うから。
いつも通りの口調に近い文面で書いて行こうかなと思います。ので、荒い口調や雑な口調も時々現れますが素人の物書きなので、ご容赦を。前置きが少々長くなりましたが…そろそろ本題を語っていきたいなと思いますね。
ちょっと長くなるかもですが、お付き合いを。

SMに辿り着いたのは必然

私にとってSMとはね…
「辿り着いた場所」
とでもいうのかな。
エロスな世界が子供の時から好きだった。
艶やかな世界が好きだった。
もちろん今もだけど。
持って生まれた快楽主義者だから私。
多分、ココに辿り着いたのは必然。

ただ何も考えずに今目の前の楽しいに没頭するだけの幼少時。
今思えば、デパートに売っていた黒いエナメルのバレエシューズを眺めているが好きだった。壊すからと買ってもらえず眺めてるだけだったけど。隙を見てはエナメルの光沢に惚れ惚れしに眺めに行ってたな。
ストッキングのスベスベした触り心地が大好きで、何故か撫でているとイケナイ気持ちを覚えていたんだけど。でもあの滑滑の触りごごちに言葉では説明出来ない気持ち良さをもう既に覚えていたな。
それがエロとかフェチとか当時は当然わかるはずも無いけれど。少し敏感な子だったし、肌で感じていたのかな。背徳感らしきものを覚えながらも、ストッキングのスベスベやエナメルの艶々に触れているのが大好きだった。
あの光沢が魅力的で仕方なかった。

初めて妄想をしたのは多分4歳くらいの頃
きっかけはテレビで観た戦隊者の番組で。
近所の男の子達と戦隊者ごっこをするのが好きだった。お姫様では無く、レンジャーとして闘うのが好きだった。
ある時テレビにさ、氷漬けにされ捕われてしまったお姫様が出てきてさ。
私は何故かその凍らされ捕われ何も出来ないお姫様に物凄く魅了され、取り憑かれたようにお姫様の捕われたその後の事を考えるようなりだして。
お姫様になりたかったのか、それともお姫様を捉えた側なのか、それは自分でもまだわからない。
どこかでイケナイ事を考えているのではないかとは思いつつ、捕われたお姫様が陵辱される事を妄想するのがとてもとても大好きで。
夜寝る前、押し入れの扉にくっついて布団に潜り
自分だけの小さな空間。子供だから布団の中でホカホカ汗だくになりながら。
お姫様が辱められて行く様を沸々と妄想してるのが楽しくてしょうがなかった。でもね、そこはやっぱり4歳児だから。
おっぱいより先には進まない…
そのうち何か物足りなさを感じてはいたのだけど。まさかおしっこをする所が性器だなんて知りもしないから。無論、人を叩くとか縛るのが気持ち良いなんて思いもしないわけじゃない。
やっぱりおっぱいより先に辿り着けなくて、小さな紅羽ちゃんの捕われのお姫様の妄想大会は敢えなく終了したのであった。笑

探究心、追い求めた先の場所

探究心、追い求めた先の場所がSMの女王様だった。

私が通ってきたのはSMの世界だけじゃないんだ。言ったじゃん最初に、エロの世界が好きだとさ。
色々なエロの世界を覗き体験し、辿り着いた場所が女王様という世界だった。
だから、私がマゾの癖を持っていたのであれば、私は女王ではなくM女だったかもしれない。笑
ノーマルを通りアブノーマルに辿り着いた。
そしてそこが肌に合った。
だから女王をしている。

女王様を始めた頃、実の母に今何の職業をしてるんだ?と問われた事があったんだ。
私は迷わず
「SMの女王様してるんだー❤︎」
と答えた。それに対して母は
「そうか、お前さんにピッタリだな、天職だな^ ^」
と、私の母は答えた。
実の母親に女王様という私の現状を伝えたら、肯定しかなかった。産み育ての親のお墨付きだ。笑
元々持ち合わせていた気性に、支配的な性質、そして薄々自分でも気付いていた普通の型にハマる事が出来ない性分と、性に対する好奇心に姉御肌。
既に持っていた“私自身性格そのもの”が、女王様という職業にしっくり来た。
世間一般と呼ばれる仕事やアルバイトなども一応の経験はあるが、いつも良くも悪くも浮いていた存在だった私だが、違和感無くありのままの自分でそこに私は存在出来た。

SMの世界は更に私の性への好奇心を深めた。

何故、エロの世界に興味を持ったの?
わからない。
先も言ったが子供の時から、興味があった。
何か後ろめたい事だと肌で感じながらも、もうモノゴゴロついた頃から好奇心が止まらなかった。
そんなんだから少女時代、イタズラとかもされちゃったっけ?!古代な表現するならBくらいまではやられちゃってたよな、アレ。
見た目は1ミリも色気のない日に良く焼けた活発な子だったんだけどね、わかるオトナにはわかっちゃうんだろうな。今、私がSとかMとかがわかるように…。って考えると、私にイタズラしてきたロリコンはある意味プロか。笑

テレビに時々出てくる濡れ場のシーンとかさ、そんなもの親を前にして、子供の頃は気まずくて仕方ないじゃない。
でも、大人の女性の膨らんだ乳房が大好きでさ、凄く見ていたかったんだ。
なんだろうな、ただただおっぱいが綺麗だと感じてて、女体のしなやかさが美しくて、とても魅力的に映ってたな。
子供ながらに見つめ過ぎてもいけないなと 何となく感じていたんだけど…
でも、ずーっと眺めていたかったな。
あとさ、女性の艶かしい嬌声ね、少しドキドキして興奮したな。

思春期を迎えると、見てるだけの好奇心の矛先は自分自身にそして誰か対象者へと向かった。

まずは手始めにさ、
どれくらい気持ち良いのか?とか
何故感じるのか?とか、したら
イクってどんだけ凄いの?になって、
その好奇心は欲望の赴くまま増え続けソレがアブノーマルとも知らずアブノーマルへ、
SとかMとかって何?
縛ったり目隠しするとどうなるの?
叩くのに気持ち良いの?
どゆこと?!諸々諸々…

もう、好奇心は止まる事を知らないわけでありまして。
気付いたら実践で試してみよう…ってさ、
で、今ココですよ。
でね、SMの世界に入ったら入ったで、
今度は縛っただけで、鞭で叩かれただけで、局部に触れずにイク姿、射精は行為であってゴールではない事、ちょっと書き出したらキリがないんだけど、
また新たに知らない事に出会うでしょ、
そしたらそんなの追究して実践するに決まってるじゃない。
もう沼よね。笑

SMとは表現の世界でもある

私にとってSMとは表現の世界でもあるんだわ。
自分の頭が認識するずっとずっと前から、エロスは美しいと思っていた。
日本では下品や卑猥な行いというイメージがまだ強く、どうしても下に見られがちな行為だけどさ。
秘める事であっても恥じる事では無いと思ってる。まあ、SMや性の業界で生き抜いている人はみんなそう思ってるだろうけど。

だってソレってある意味ラブじゃない。
歯の浮くような台詞だけどさ。
性の睦事ってラブが無いと成り立たないからさ。

SでもMでもいいよ。
男と女が、男と男が、女と女が、なんでもいい。
信頼し合った同士、好き同士、それともワンナイト?どれでもいいんだけどさ。

今そこに、欲しいと思い合ったその表現のカタチがSMなのか将又SEXなのか。まあ、どちらでも。
快楽を求め合った物同士がぶつかり合い絡み合い、その激情って凄くない?

唾液や愛液、汗やありとあらゆる粘液に塗れ
現実はとても美しいと言えるかわからないけれど、性の交わりってとても素直で純粋な感情だと思うから。それが欲に塗れた物であってもさ、そこに対しての猪突猛進さとか。煩悩と純粋が混ざり合う。最早カオスだけど。笑
裸体とかフェチズムな衣装の姿、嬌声を上げ歓喜する姿、エロの時間に存在するソレ等はどれもとても美しい。と思っちゃうのね。

SMの世界では、鼻フックや開口マスクやらでわざと醜くさせられる事もあるけれど、ソレだって主人の趣向の成れの果てで、マゾが精一杯全力で受け止めた結果の姿形だと思うと、そんな醜く晒されたソレも愛おしいし美しい。と思うのはやっぱり私は変態サイドの人間だからであろうか?笑

辿り着いたSMの世界

好奇心の先を追い求めた結果辿り着いたSMの世界。
巡り合ってしまったショー出演のご機会。
初めて出演する事になったのは、
DX歌舞伎町のSM大会。(出演するまでに紆余曲折あったのですが、長くなるのでコレはまた機会があったらお話しましょ。)

SMショーの世界には、私が子供の頃見たあの濡れ場のドキドキが存在した。

美しいお衣装を身に纏われた女王様が奮う鞭。
涔々と正確にかつ繰り広げられる緊縛師の華麗な縛り。それ等に悦び応えるかのように嬉々と嬌声を上げる受け手達。
美しくかつエロくでも品があり、リアルなSMと幻想とが入り混じったその恍惚な空間は
私が追い求めていたカタチの場所でもあった。

まあ、実は私が演じる方になるとは思ってもいなかったんだけど。
観られる事、SMを通してエロを表現出来る事、実はコスプレが癖に刺さる事、それが堂々と人様の前で演じれる事、ステージに上がったら自分の求めていた物と癖と色々な物が合致して
気付いたら私、気持ち良くなっちゃってさ。
ショーが終わった後はいつも、プレイとはまた違う興奮と快楽の脳汁がドバドバ出てちゃって、止められなくなっちゃったんだよね。笑

私にとってSMとは、辿り着いた探求の場、でもただの癖、エロの先の行き着いたアート。

みたいな?

ま、今のところはそんな感じ。

あ、あとね
とっても好きなんだよねSMの世界観。
ファッションも、緊縛も鞭も、はっきりしないマゾ達も。笑
そして、その中のキャラクターでいれる自分も大好き。

紅羽のクエストはまだまだ続きますが…
そろそろ長くなってきたので一旦お話終わりにしようかな。
掻い摘んでですが、今ココに辿り着くまでを…
私にとってSMとは…

最後までお読み頂きありがとうございました^ ^

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龍崎紅羽

龍崎紅羽

SMクラブ奴隷の館、Farfadet Club Tokyo所属、女王。SMアーティスト。 2009年、DX歌舞伎町のステージより始まり、 都内劇場アンダーグラウンドにて活動。 エロとアートの狭間を独自の世界観で追求。 観てる人まで気持ち良くをコンセプトにSMのリアルな空間を創りあげる。

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